クイズです。
さて、下の写真の墓石の部材の手磨き加工(R面等の細かい部分を磨く工程)は職人一人でどのくらいの時間が掛かるのでしょうか?平らな部分は除きます。
①2時間
②半日(4時間)
④1日(8時間)
弊社の手磨きのプロ、雨貝さんが磨いています。
きちんとツヤを出すのは、丁寧に磨ききらないとならないので、大変なんです。
やたらめったら磨けば良いものではありません。熱を持たせてバフを掛ければ早くツヤは出せます。
でも、それをやると数年後には、サビが出たり、剥離を起こしたりと不具合が出る可能性があります。
石の結晶が白くにごり、見た目にも輝きを失います。
熱を石に与えないためにも、水を掛けながら丁寧にハンドポリッシャーで磨いていきます。
これからの季節、水は冷たいし、工場は寒いし、冷えとの戦いにもなります。
また、力を入れて体重を掛けながら磨かないとならないので、体に負担も掛かります。
実際に、腰を痛める職人も多いのです。
おかげで、艶々のピカピカに磨きあがりました。R面も淀みのない、均一にムラなく磨きあがっています。
稲田石は硬質で、ツヤのノリが良い石種ですが、その分、磨きが大変なんです。
さて、そろそろ答えを言います。
答えは③番の一日です。
一般のお客様は、これだけの作業にそれだけの手間隙を掛けていることに驚かれる方が多いです。
でも、実際に真面目に磨くとそれくらいは掛かるのです。
納期がなくて、休日出勤に残業が重なっても妥協することはありません。純国産墓石を専門に扱っていると経営的に厳しい部分があり、だいぶ経費の圧縮を行ってきました。
現在は、ギリギリの人数で、工場を回しています。仕事が集中すると、無理をお願いすることもしばしばです。
きちんと、丁寧に、手間隙をかけた仕事をしているということは、
その分、自分の作る作品に責任を持ち、愛情を込めているということです。
それが、妥協のない仕事を生むのでしょうね。
見ていて、本当に頭の下る思いです。
コメントを残す