石材の劣化度合は、含有鉱物の割合に依存しています。


石材の劣化の種類とメカニズムについて少々まとめてみます。

 

近年は、建築材料用石材に多用される石材に関して、建造物竣工後1年程度で石材表層に鉄錆、濡れ色、エフロレッセンスによる白濁化等の変色が生じた事例や、施工後数ヶ月で変色のみならずポップアウト等の劣化が生じた事例も報告されています。

この石材の早期劣化の原因として、施工場所の立地条件や気象条件等が石材中の含有鉱物に影響を与えていると考えられています。

 

石材の主な変質現象としては、鉄気、濡れ色、エフロレッセンス、ポップアウトがあげられます。

 

鉄気・・・石材が風化する過程で、石材に含まれる長石や雲母が科学変化し、それによって生じた鉄分が酸化されることが原因とされている。

 

濡れ色・・・床面のモルタルに含まれる水分や上部から石材の背面を伝わって落ちた水分が、石材の毛細管現象により石材表面に現れたものである。

 

エフロレッセンス・・・白華とも呼ばれ、石材表面に白い粉が生じる現象で、石材の表面に開口のある毛細管中を、可溶性塩類を含んだ水分が移動し、表層部分で水分が蒸発し、塩類の結晶を折出させたものである。一般的に、折出する塩類は炭酸塩が多く、硫酸塩を含む場合もある。

 

ポップアウト・・・石材に含まれる黄鉄鋼などの鉱物の膨張により、表面がはじき飛ばされあばた状になる現象。

 

石材の劣化の原因は次ぎの通りです。

石材表面の剥離の原因・・・水分による黄鉄鋼と雲母の変質の助長、硫化鉄系鉱物の酸化による膨張、結合の弱い組織の白華による結晶化圧、沸石類の雨水による膨潤・溶解。

 

石材表層の変色の原因・・・硫化鉄系鉱物の酸化による発錆、炭酸塩鉱物の雨水による膨潤・溶解。

 

石材表層の白華の原因・・・固有のひび割れや結合の弱い組織への可溶性塩類の浸透。

 

 

石材の変質現象の原因としては、含有鉱物によるところが大きいです。つまり、石材の劣化傾向は、その鉱物組織に依存すると言えます。

石は、見た目では同じような石に見えるかもしれませんが、産地や石種によって鉱物組織が異なります。

 

茨城県産と中国産の主な石種の鉱物の組成割合です。

鉱物組織割合

稲田石や真壁小目石を見ると石英の割合が多いことがわかります。石英が結晶化したものが水晶です。強度の高い特殊なガラスの材料にもなります。変質を受けにくく、とても安定した鉱物です。

また、水晶からイメージできるように透き通って輝きのある美しい鉱物です。この石英が多いから磨き加工で艶が出て、キレイな光沢を放つのです。

 

それと、稲田石は正長石の割合も21.6%と多いです。これが稲田石の白を形づくっています。

この正長石に酸化鉄が含まれるとピンクの色になります。G623のピンクは酸化鉄によるものです。

強熱減量とは、主に有機物質の量です。

 

稲田石は石英と正長石の割合が多く全体の6割近くを占め、斜長石や黒雲母や他の物質の割合が少なくなっています。

稲田石の不純物の少ない際立った白さが含有鉱物の組成割合でも証明できているかと思います。石の見た目の通り、雑味がなく、すっきりとしたシンプルな組成です。

 

 

中国の花崗岩の劣化が早い主な要因は、こういった含有鉱物に悪影響を及ぼすものが多く含まれているからと考えられます。

ただ、この鉱物組成を調べるのはコストが高く、現在流通している石種を把握することは不可能だそうです。

 

中国では、既存の石種の採掘が難しくなり、新規の開発を急いでいます。

残念ながら、その石の真価は年月を経てみないとわからないのです。

 

日本で現在流通している日本の石は数多くあった石種の中で淘汰されて生き残ってきた優秀な石種です。

世界でも歴史のある著名な石種は安心して使用できるものが多いです。

 

こういった石材の劣化の問題は、中国から新しい石種が入りだしてから建築石材を中心として顕在化するようになってきたという背景があります。

建物のエントランス等の目付けに使用される石は健全な状態に長く保つ必要があり、表面劣化に対して非常にシビアです。浸透保護剤やメンテナンスの方法も確立されています。

墓石のように『100年経っても崩れるわけではない』というおおらかさはありません。

 

いずれにしても、なるべく安心できる品質の安定した石種を用いるのに越したことはないでしょう。

特に日本の花崗岩と価格差がなくなればなくなるほど、態々、中国の花崗岩を選択する意味は無くなってくると思います。

 

あと、日本の石は態々、やくもの加工を多くする必要もありませんよ。

高品質な石なのだから、その素材の持ち味を活かしてシンプルなお墓をつくればいいんです。(勿論、複雑な加工もできますが)

 

本当に高品質な良いお肉は、シンプルに塩で食べるのが一番味がわかります。

刺身も新鮮なものを醤油に付けて食べるからおいしいのです。

良質な石は、磨けば品のある美しい光沢がでます。

 

石の持つ本来の美しさ、素晴らしさを味わうには、シンプルな加工が一番なのです。

茨城県産稲田石の磨き加工

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