代表挨拶

10年以上の茨城県産の御影石の石質研究の実績

代表取締役社長の長谷川正一です。

石材加工卸業として同社が持つ大きな特徴は、国産材、特に高品質の稲田石を採掘するところから始まり、その石材を自社加工した製品をお客様に提供するという一貫した販売体制が確立しているところにあります。

「国産材を主軸に据えて販売を行っていくにあたり、自分たちが今販売している石材は、本当に優れたものであるのか。」

ということを確かめるために、10年以上前より石質の研究を始めました。

「私どもが採掘している石材を、自信を持って販売できるための裏付けが取れないか」と考えたからです。

そこで、稲田、真壁、羽黒の石材協同組合が連合して組織されている茨城県石材業協同組合連会という団体で、国産材と外国産材との石質の比較実験を行うことにしました。

しかし、この実験は自分たちの首を絞める結果が待ち受けているかもしれない危惧をはらんでいるため、決断をするには大きな勇気を伴ないました。

「山を持つ石屋は、当然山を捨てる覚悟」で臨むことになります。

自分たちの石が悪ければ、商売の方向性を変えていかなければならないわけで、とにかく自分の石に自信を持たなければ始まらないという思いで実験をスタートさせました。

茨城大学の教授の協力を仰ぎ共同でプロジェクトを開始することになりました。

1000数百区画もの墓地での実態調査

さまざまな墓地で現地調査を行い、1000数百区画をサンプリングして劣化調査を行いました。

そ こで石材の劣化の傾向をつかみデータ化していきました。

また、国産材数種類と、中国産材数種類の経年劣化を調べる実験も行いました。

その結果わかったことは、大まかにいうと、国産材の場合、ちょっと問題が出てきたなという時点から、破壊されるまでに時間を要するということです。

反対に中国材の場合は、変化が起こり始めてから破壊されるまでの時間が短いという結果になりました。

例えば、稲田石と似ているいわれているG655などと比較して加速度試験を行った場合も、2~3週間で#655には変化が見られるようになりました。

石の当りはずれもあるだろうし、何せ自然のものなので質も色合いも100%パーフェクトなものはなかなかないとは思います。

しかし、概して稲田石を始めとする国産材が長く持つ高品質材であるということが分かったことは、大きな収穫であり、私たちも強い自信を持てる結果となりました。

国産石の需要日本の伝統技術をしっかりと守りつつ、地元を拠点にこれからも地道に事業を推移させていきます。

これからも私たちは、稲田石の、ひいては国産材のブランド力が落ちることのないよう、精一杯事業を維持、発展させていくつもりです。